2020/12/30

吃音で学校でからかわれて悩んでいた人の話

 

急に寒くなってきたので、気温の変化によって体だけでなく心も疲れやすい時期になりました。ですが、忙しくなる時期でもあるので、目の前のやることに一生懸命になっている間にいつの間にか心が疲れてしまっているということもありますので、油断せずに体調だけでなく心の声にも耳を傾けるようにしましょう。

 

心に大きな影響があるのは気温だけではありません、周囲の環境や人間関係でも心は変化しますがその周囲を、自分の勇気1つで少しづつ変えている人のことが話題になっています。

 

大学生4年の亀井さんという方なのですが、彼は吃音をであることを公言することで周囲に理解してもらい乗り越えているそうです。周囲に自分のことを打ち明けるというのは、だれでも勇気が必要ですが、その中でマイナスになる可能性もあることをしっかり打ち明けて、相手に理解してもらうというのはすごいことだと思います。

 

そもそも、吃音とは何かから解説していきたいと思いますが、特に人前に出たりすると言葉に詰まってしまいうまく話すことが出来なかったり、返事をするときにも一言答えるのになかなかうまく発声できないなど、会話というコミュニケーション内で表れやすい障害のひとつです。一見すると緊張からくる会話のつまりのように感じる人もいるので、からかいの対象になったりすることもあります。

 

ですが、上手に付き合うことで話すときに詰まってしまう部分をうまくカバーしたりできる可能性はあるので、付き合い方を覚えることで多少の改善がある場合もあります。

 

そんな吃音で亀井さんは悩んでいたそうです。はじめは、うまく話せないことに違和感を感じていなかったようなのですが、小学校高学年になると国語などの授業中に何度も言葉に詰まるようになったそうです。そしてさらに中学校に上がると、周囲から奇異の目やからかいの対象になることもあったそうです。そして、中学3年の時にスクールカウンセラーに吃音を指摘されたときには、「これからどうやって生きていくんだろう」と頭が真っ白になったこともあるそうです。

 

そんな彼がどうやって今の状況に変わっていったかというと、高校時代に受信した吃音外来で音読の練習や発話の練習を続けている中で、それでも学校で笑われることがあるのを言語聴覚士に相談したときに提案された、ことが発端でした。言語聴覚士の提案とは、「皆に吃音のことを話す」というもの。

 

当事者からしたら不安になってしまいますが、実際自分のことを理解してもらうために話すというのは一つの策です。それまで吃音のことを担任にしか話していなかったそうなのですが、亀井さんは勇気を出して教壇に立ち担任にも手伝ってもらって、クラスに自分の吃音を告白しました。それからは気持ち的にも楽になってクラスでの友人関係も改善したそうです。

 

その後生徒会にも入り、全校生徒の前でも吃音の症状を起こしたときに、とっさに吃音について告白したところ、学校でからかわれることはほぼなくなったそうです。

 

亀井さんの例は特殊かもしれませんが、それでも吃音などでからかわれて学校などで居場所がなくなってしまうということは十分起こりうることです。ほかにもちょっとしたことで、居場所がなくなってしまうというとは十分に考えられます。そういったときに、1人で考え込むのはただただ落ち込んでしまうので、ひとまずカウンセラーに相談してみましょう。

 

亀井さんのように劇的な変化が起きるとは限りませんが、一緒にどうやって今の状況を改善していくかを考えることが出来ます。無理に一人で抱え込んで苦しむ必要はありません。少しでも心を軽くするためにも、不安があるときはぜひカウンセラーに相談してみてください。